2015年12月24日(木)は自作した50Wの太陽光パネルを青森県八戸市の屋外に設置し、発電した電力を12V・9Ahのバッテリーに充電させつつ、自作した安価な4G-LTEの携帯電話回線とWi-Fi経由でラズベリーパイ(Raspberry Pi)という、屋内に設置した教材用Linuxマイコンによる遠隔監視システム(1号機)を常時運用できるかの試験を開始しました。これは、太陽光パネルとバッテリーの組み合わせが、当該の低価格な太陽光発電システムの連続運転に適しているかが判される、とても重要な試験です。
太陽光、バッテリー、負荷の電圧、電流、電力を監視しながら、以下の通り、装置の設置場所の温度・湿度を逐次監視しています。試験を開始したばかりなので、グラフの時間変化も短い状態ですが、何とか一晩をしのぐことが出来ました。この取得データが数日間、数週間と途切れずに連続していれば、自然エネルギーだけによる独立システムが連続稼動できていることになります。
さらに、Wi-Fiと携帯電話回線およびVPN経由でWindows PCからSSHにてマイコンにログインし、I2Cで接続したINA226というセンサの情報を取得するPHPのスクリプトを稼動させたところ、以下の通り12月26日(土)の9:30時点での発電量が10.7W、システムの消費電力は3.0Wであることを確認できました。現時点で2日間連続稼働中です 。
また、2015年12月26日の11:00過ぎには下図の通り、発電電力は31.3Wにも達しました。
そこで、Muninというソフトウェアで12月29日(火)と30日(水)の2日間の発電量の時間変化を観測した結果は以下の通り、瞬時的には40W以上の発電が確認出来るものの、晴天時と曇天時の発電量には大きな違いが見られます。また、この期間の夜間の無発電時も含めた平均発電電力が3.3Wということは、八戸地域で50Wの太陽光パネルを用いた場合、常時運用可能な電力が概ね3.0W以下ということになり、かなり厳しいことが分かります。
一方、2日間の負荷出力は以下の通り、このラズベリーパイというLinuxマイコンを用いた太陽光発電遠隔監視システム自身の消費電力は3W程度と一定である一方、負荷両端の電圧は太陽光パネルによる発電と負荷によるバッテリー電力の消費の影響により、17Vから12V程度まで変化しています。
12月中にIoT機器である遠隔監視システム本体も屋外に設置し、最終的な全てのシステムにつき屋外での耐久試験を開始する予定ですが、出てきた問題を一つずつ解決しながら、実フィールドでの運用までもっていければと思います。
但し、冬は積雪による発電量の低下が懸念されるので、色々と注意が必要です。